2019/09/03
鏡を見るたびに「ボサボサだな、行かなくちゃな」と思うのですが、引っ越すたびに苦労するのが歯医者さんと美容院なのです。
昨年引っ越してすぐに行った美容院は大失敗、それから他を探す気力もなく、そろそろ1年になります。
その大失敗の美容院、何がダメだったのか考えると、すべての商売につながる課題が見えてきて興味深いと最近思うようになりました。
その美容院は、駅近くの古い雑居ビルの二階にあります。
扉を開けると、外観通りの古くて汚い店内です。内装はほとんど手をかけていない様子で、古くさくて不衛生な感じがしました。
おまけに、誰もいらっしゃいませを言わないのです。こんな美容院初めてです。
ネットで安いところを探したにしても、あらゆるとことで手を抜きすぎていて、「安かろう悪かろう」感が満載でした。
私は二度と行きませんが、不思議なことにいまだに営業しています。
これは、立地と価格の安さから、一定の需要がある証拠でしょう。
便利さと安さを求める層には訴求力はありそうです。
ただ、商売としてはどうなんでしょう。
小汚い店で、「安ければいい」客を相手にして、集客に何の工夫も努力も、技術力の向上も目指さない、ただ食べられればいいだけの仕事。
単価が安いから、その分たくさんお客さんを取らなければならず、当然手を抜かないとさばききれない。
なんか悪循環です。
店舗を構えて地元の客相手の商売なら、お客さまの満足度をアップしてリピート率を高めていかないと、安いだけしかウリがない今の状況では、いずれもっと安いライバル店が出てくれば、確実に潰れます。
私が美容院に求めるものは、技術もそうですが、非日常的な時間と空間です。
エステやリフレクソロジーなんかもそうだと思いますが、きれいになりたい、癒されたい、そういう心地よい贅沢な時間をお客さまは求めてサロンを選ぶのではないでしょうか。
そして、支払う代金には、技術料プラス心地よい時間代が含まれているのです。
多少料金が高くても、お客さまが納得して払ってくださるのなら、それが正当な対価です。
これは、すべての職業に共通していることではないでしょうか。
お客さまが求めるものを読み取って、的確に価値を提供できれば、満足して代金を支払ってくださいます。
税理士だとしたら、正確さはもちろんのこと、この人に相談すれば解決してくれるという安心感だったり信頼感を持っていただくことがより大切になってくるのです。
ですから、腕は確かなのに、商品はいいものなのに、お客さまに選んでもらえないと悩んでいる人は、お客さまがどんなところに価値を感じるのか、考えてみましょう。
繁盛している同業者のお店を見に行ったり、サービスを受けてみたりすればヒントがつかめるかもしれません。
私もお金を扱う人間として、こんな貧乏くさい見た目では、安心して相談していただけないと悟りましたので、近いうちに美容院に行ってサッパリして来ようと思います。
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