2019/09/03
何をムダと考えるかは人によって違います。
税理士になる前に経理をしていたとき、その会社の給料は現金支給でした。
社員の給与計算をして、十円玉何枚、百円玉何枚…と金種を数えて、支給日前日に銀行に連絡して、おろしてきたお金を分けて給料袋に入れて…
ものすごくムダだと思ってました。
何百万ものお金を銀行から持って帰るのも怖いですし、ずっと嫌でした。
近所で強盗が2件起きて、信用金庫のうちの担当者が鉄パイプで襲われてカバンを取られたとか、物騒な事件が続いたので、とうとう振込にしたのです。
社員もみんな振込の方がいいということでしたので、社長に了解を取りに行ったところ、「現金だから社長の威厳が保てるのだから現金のままにしろ」との答え。
強盗に襲われたらどうするんだと詰め寄って、ようやく振込にできました。
給与の銀行振り込みは、合理化というより、私にとっては常識だったのですが。
合理化の定義ってなんでしょう。
ムダを省くことと考えればいいのでしょうか。
私の仕事でも、ひとによってムダと思うことが違います。
会計入力は単純作業だからムダという人もいますが、私はお客さまのことをよく理解することができる大切な仕事だと思っています。
でも、その時間を使って経営分析や予算を立てることを重視するなら、確かにムダと考える人がいてもおかしくありません。
正確さは何より大切ですので、「間違ったら直せばいいじゃないか」という人はこの仕事には向きません。
時間は限られていますので、正確さを確保したうえで、どこに時間を割くかで仕事の仕方も対象にするお客さまの層も変わってきます。
同じ税理士でも、何をムダと思うかで棲み分けが必要なのでしょう。
効率優先て聞こえはいいけれど、非効率を切り捨てるような合理化は賛成しかねます。
非効率でも必要なことはたくさんあります。
AIに取って代わられる仕事って、「合理化」を追求してる人の仕事なのではないかと、アナログな私は思っています。
ただ、非効率な仕事は儲けが少ないです。
手間がかかる割には単価が低かったり、ニッチなゆえに大衆に対する訴求力が弱かったり。
ちょっと趣味や道楽に近かったりするのかもしれません。
儲けが少ないからこそ、合理化からこぼれ落ちて、残っていくこともあるんじゃないかと。
すべてが合理化した世界なんて、面白みがないですよね。
私の職業も10年後にはなくなる仕事らしいです。
合理化についていけなくなったら引退して、家庭菜園でも始めてのんびり余生を過ごします。
それもまたちょっと楽しみかも。
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