確定申告のセミナーに行けば自分でできるようになるでしょうか？

答えはノーです。

言い過ぎかもしれませんが、「確定申告が自分でできるようになる」系のセミナーに行って、実際に自分でやれるようになった人に私は会ったことがありません。

自分でやってみようセミナーは、通り一遍の帳簿のつけ方や、決算の仕方、申告書の作り方を説明するだけです。

これから増えてくるこの手のセミナーですが、無料ならまだしも、有料なら参加しないことをおすすめします。

お金が無駄ですから。

実際に、「確定申告セミナー」の講師をやってみて感じたことは、こういうセミナーを受ける人には二通りの人がいるということです。

ひとりは、実際に帳簿を自分で付けてみて、わからないところがあるから勉強しようと思ってくる人。

こういう人は、講義の後に必ず質問に来ます。

具体的に聞きたいことを持っているから、それを解決するために直接、しかも無料で税理士に質問できる機会を狙ってくるのです。

この人たちは、自分で申告できる人です。

もうひとりは、もうそんな時期だし、やらなくちゃいけないし、今年はがんばってみるかな、という人です。

こちらは結局やれません。

なぜなら、そもそも帳簿がつけられないからです。

面倒くさい、わからない、時間がない、理由はさまざまですが、本気で確定申告を自分でやろうと思わなければ、毎年同じことを繰り返すだけです。

もし、本気で自分でやろうと思うなら、「セミナー」ではなく、「個別指導」を受けましょう。

帳簿をつけられない最大の理由は、「何が経費になるのかわからない」ことです。

いまどきですから、パソコンの操作なんて、私より皆さんの方がはるかに上手です。

会計ソフトへの入力など、簡単に覚えられますし、習うまでもありません。

わからないのは、ソフトの使い方ではなく、「経費になるかならないか」や、「経費になったとして、何の科目になるか」なのです。

経費になるかならないかは、業種や業態によって変わります。

マンツーマンで一つ一つ領収書を一緒に確認しながら帳簿をつけてみると、何が経費になるかだんだんわかってきます。

わかってみれば案外簡単です。

帳簿さえつけられれば、あとは確定申告なんてできたも同然です。

領収書の量や取引がめちゃめちゃ多い人は外注すべきだと思いますが、自分でできるかな？と思うくらいの人は一度教えてもらってやってみるとよいと思います。

私が個別指導した人たちは、翌年から自分で申告しています。

本当に自分で確定申告をしたいと思うなら、ぜひ「セミナー」ではなく「個別指導」を。

それでも面倒なら、ぜひ外注を。

 

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個人事業主の確定申告専門税理士です。

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